保育士配置ってなに?
保育園は、お預かりしたいだけの子どもを何人でも預かって良いわけではありません。
保育士1人あたりに保育できる子どもの数、保育室の広さに応じてお預かりできる子どもの数が決まっています。
今回は保育士1人当たりにお預かりできる人数について、保育士配置基準を分かりやすく説明したいと思います。
保育士の配置基準とは、保育士1人当たりが保育する子どもの数の基準です。
ベテランで子育て経験もあり1人で何人でも見ることができる!という保育士さんであっても、基準以上のお子様を保育することはできません。
子どもの安全を確保するために定められている基準のため、基本的にはお世話に手のかかる低年齢の子どもほど、1人の保育士が保育できる子どもの数は少なくなります。
ただ、国や自治体によってその配置基準は異なります。
▼国が定める保育士の配置基準
国が定める配置基準では、”保育園を運営する場合には、常時2名以上の保育士の配置が必要であるとともに、原則として次の基準を下回らないこと”と定められて
0歳児 :保育士1人に対して3人まで
1~2歳児 :保育士1人に対して6人まで
3歳児 :保育士1人に対して20人まで
4歳児以上:保育士1人に対して30人まで
▼各自治体が定める保育士の配置基準
国とは別に、各自治体が保育士の配置基準を定めている場合もありますが、国が定める配置基準を下回ることはできません。
そのため、国とは別の配置基準を設定する自治体では、基本的には国が定める配置基準よりもさらに厳しい配置基準を設定し、保育の質がより高まるように努めています。
上記のような厳しい保育士配置基準が定められる理由は、安心・安全に子どもを保育できるよう定められた保育士配置基準ですが、基準が定められている理由は主に以下の2つです。
① 保育の質を保つため
保育士に配置基準が必要な理由として挙げられるのが、保育の質を維持するという理由です。
保育士配置基準に沿って保育施設を運営することで、保育士の目が全員に行き届く範囲で安全に保育を実施できます。
② 保育を円滑に行うため
0歳児の場合はおむつ替えや着替え、食事など生活の身の回りのすべてにおいて保育士の援助が必要です。
そのため、保育士1人が保育できる子どもの人数は3人までに制限されています。
一方で、子どもがある程度成長すると段々と自分でできることが増えるので、保育士1人に対して保育できる子どもは20人にまで増やせます。
このように、子どもの成長段階に合わせて必要な保育士の数を決めることで、円滑な保育ができるように考慮されているのです。
保育士配置基準は保育中の子どもの事故を未然に防いで安全を確保し、子どもが安心して保育園で過ごすために非常に重要な基準です。
小さな子どもは目を離すと何でも口に入れようとしたり、友達とトラブルを起こしたり、好奇心で高いところに登ろうとしたりと、危険なことをしてしまいます。
そのため、保育中の事故を未然に防ぐには安全に子ども一人ひとりを見守れる保育士の数を確保しなければなりません。
「配置基準=最低限必要な保育士の人数」を表しているので、子どもの健康・安全のためにも、最低基準以上の保育士を配置することが重要だといえるでしょう。
配置基準では「保育士を常時2名以上配置すること」も原則となっているため、たとえ子どもが1人の場合でも、保育士は1人で保育を行うことはできません。
配置基準が緩和されてきていますが、配置基準ギリギリで運営している保育園も多数あり、保育士の負担はまだまだ大きいのが現状です。
しかしその中でも、保育の質は下げたくないもの。
子どもの安心・安全・健やかな育ちのために質の良い保育の確保を目指していきたいですね。